SNSや口コミで「家中の汚れがピカピカになる」と話題の万能クリーナー、オキシクリーン。
特に洗濯槽の掃除でその洗浄力を実感している方も多いのではないでしょうか。しかし、その一方で「オキシクリーンを使ったら洗濯機が壊れた」という声も聞かれます。
強力な洗浄力を持つオキシクリーンだからこそ、使い方を間違えると洗濯機にダメージを与えてしまう可能性があります。
この記事では、オキシクリーンで洗濯機が故障する原因から、正しい使い方、万が一のトラブルへの対処法まで、詳しく解説します。大切な洗濯機を長く使い続けるために、ぜひご一読ください。
オキシクリーンとは?その特性と効果

オキシクリーンは、アメリカ生まれの酸素系漂白剤です。
主成分は過炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウム(ソーダ灰)。お湯に溶かすことで大量の酸素の泡を発生させ、その力で汚れを剥がし取ります。
- 過炭酸ナトリウム: 酸素の力で汚れを分解・漂白。色柄物にも使えるのが特徴。
- 炭酸ナトリウム: アルカリ性の力で皮脂や油汚れを強力に洗浄。
このダブルの力で、衣類のシミ抜きはもちろん、洗濯槽の裏側にこびりついたカビや石鹸カス(通称:ピロピロわかめ)を強力に剥がし落とす効果が期待できます。
洗濯機におけるオキシクリーンの利用方法

洗濯機では主に「洗濯槽の洗浄」目的で使われます。
通称「オキシ漬け」とも呼ばれ、高水位までお湯を溜め、オキシクリーンを溶かして数時間放置し、洗濯槽の裏側の汚れをごっそり取る方法が人気です。
オキシクリーン使用による故障事例

インターネット上では、オキシクリーン使用後に以下のような故障事例が報告されています。
- エラー表示が出て停止する: 特にドラム式洗濯機で「泡検知エラー」が多発。
- 水漏れが発生する: 泡が溢れ出たり、排水ホースから漏れたりする。
- 異音がする: 溶け残ったオキシクリーンが部品に詰まり、動作時に異音が発生する。
- 電源が入らなくなる: 溢れた泡や水分が基盤部分に侵入し、ショートする。
これらのトラブルは、なぜ起きてしまうのでしょうか。
洗濯機が壊れる理由とそのリスク

オキシクリーンの成分と洗濯機への影響
オキシクリーンの主成分である過炭酸ナトリウムは、水に溶けると弱アルカリ性になります。ステンレス製の洗濯槽自体はアルカリ性に強いものの、長時間高濃度の溶液に浸すことで、槽を固定するネジや内部の金属部品が錆びたり腐食したりするリスクが指摘されています。
また、オキシクリーンが発生させる大量の泡も故障の大きな原因です。
故障の原因となる使用方法の誤解
オキシクリーンによる洗濯機の故障は、製品そのものの問題というより、使用方法の誤解から生じることがほとんどです。
- お湯の温度が高すぎる/低すぎる: オキシクリーンが最も効果を発揮するのは40~60℃のお湯です。温度が低すぎると溶け残って詰まりの原因になり、逆に高すぎると洗濯機の耐熱温度(通常50℃前後)を超えてしまい、プラスチック部品の変形につながる恐れがあります。
- オキシクリーンの量が多すぎる: 「汚れをしっかり落としたい」と規定量以上を入れると、想定以上の泡が発生します。この泡がセンサーに異常を検知させたり、洗濯機外部へ漏れ出して電子部品を濡らしたりする原因となります。
- 長時間放置しすぎる: 6時間以上の長時間の放置は、剥がれた汚れが再び槽に付着したり、前述の通り金属部品へのダメージを加速させたりする可能性があります。
洗濯機の寿命を縮める行為とは
- メーカー非推奨の洗剤で槽洗浄を行うこと: 多くの洗濯機メーカーは、自社製の専用クリーナーの使用を推奨しています。オキシクリーンでの槽洗浄は、メーカーの保証対象外となる可能性が高い行為です。
- 取扱説明書を読まずに自己流で掃除すること: 洗濯機の機種によって構造や注意点が異なります。取扱説明書を無視した使い方は、予期せぬトラブルを招く最も危険な行為です。
洗濯機選びにおけるオキシクリーンの注意点

使えない洗濯機の特徴と見つけ方
まず大前提として、お使いの洗濯機の取扱説明書を確認してください。「酸素系漂白剤の使用」や「槽洗浄」の項目に、使用できる洗剤の種類が記載されています。メーカーによっては、オキシクリーンのような市販のクリーナーの使用を禁止している場合があります。特に、海外製の洗濯機は注意が必要です。
ドラム式洗濯機とオキシクリーンの相性
ドラム式洗濯機とオキシクリーンの相性は、一般的に良くないとされています。
その理由は、ドラム式洗濯機が少ない水量で叩き洗いをする構造にあり、粉末洗剤が溶け残ったり、泡が立ちすぎたりしやすいためです。泡が大量に発生すると、泡検知センサーが作動して運転がストップしたり、泡が機外に漏れ出して故障につながるリスクが縦型洗濯機よりも高くなります。多くのメーカーがドラム式での使用に注意喚起、あるいは禁止しています。
縦型洗濯機の使用における推奨ポイント
縦型洗濯機はドラム式に比べて水量が多く、泡によるトラブルは起きにくいとされています。しかし、リスクがゼロではありません。使用する場合は、以下のポイントを守りましょう。
- 必ず「槽洗浄コース」を使用する。
- お湯の温度(40~60℃)を厳守する。
- オキシクリーンを事前にしっかり溶かしてから投入する。
正しいオキシクリーンの使い方

もし、取扱説明書で禁止されておらず、自己責任でオキシクリーンを使用する場合は、以下の手順を守り、リスクを最小限に抑えましょう。
洗濯槽の洗浄における最適な分量
一般的な目安として、お湯10Lに対してオキシクリーン約100gです。洗濯機の容量に合わせて調整しますが、決して入れすぎないように注意してください。
お湯の貯め方と効果的なやり方
- ゴミ取りネットを外す: 剥がれた汚れが詰まるのを防ぎます。
- 40~60℃のお湯を高水位まで溜める: 給湯器の設定を活用すると便利です。熱湯は絶対に使用しないでください。
- オキシクリーンを投入し、よく溶かす: 洗濯機を数分間「洗い」で運転させ、完全に溶かします。溶け残りがないか確認しましょう。
- 2~6時間放置する: 6時間以上は放置しないでください。
- 汚れをすくい取る: 浮いてきたカビや汚れ(ピロピロわかめ)を網などですくい取ります。これをしないと、排水時に詰まりの原因になります。
- 標準コースで運転: すくい取った後、通常の洗濯コース(洗い→すすぎ→脱水)を1~2サイクル運転し、槽内部と排水ホース内をしっかり洗い流します。
トラブルを避けるための注意事項
- 絶対に蓋を閉めない: 酸素が発生するため、密閉すると内圧が上がり危険です。
- 塩素系漂白剤と混ぜない: 有害なガスが発生する危険があります。
- 衣類を入れたまま行わない: 衣類の色落ちや傷みの原因になります。
オキシクリーン使用後のチェックポイント

洗濯後の洗濯槽の状態確認
槽洗浄後は、洗濯槽の内部に汚れが残っていないか確認しましょう。もし汚れが残っている場合は、再度すすぎと脱水を行うか、キッチンペーパーなどで拭き取ります。ゴミ取りネットも忘れずに洗浄し、元に戻してください。
脱水時に注意すべきエラーとは
大量の汚れが剥がれた場合、それらが排水フィルターやホースに詰まり、脱水時に「排水エラー」が表示されることがあります。エラーが消えない場合は、排水フィルターの掃除が必要です。
修理が必要なサインの見極め方
- 洗浄後も異音や異臭が消えない。
- エラーが頻繁に表示されるようになった。
- 洗濯機の下から水漏れしている。
これらのサインが見られた場合は、無理に使い続けず、速やかにメーカーのサポートセンターや修理業者に相談してください。その際、オキシクリーンを使用したことは正直に伝えましょう。
オキシクリーンの代替品とその効果

他の洗剤との比較分析
| 種類 | 主成分 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 酸素系(オキシ等) | 過炭酸ナトリウム | 強力な発泡力で汚れを剥がす | 泡立ちが多く、使い方に注意が必要 |
| 塩素系 | 次亜塩素酸ナトリウム | 殺菌力が非常に高い | 刺激臭、色柄物NG、酸性タイプと混ぜると危険 |
| メーカー純正品 | 各社独自成分 | 洗濯機に最適化されており安心 | 市販品より高価な場合がある |
カビや汚れに効果的な掃除方法
最も安全で確実な方法は、お使いの洗濯機メーカーが推奨する専用の洗濯槽クリーナーを使用することです。洗濯機の構造を熟知した上で開発されているため、部品を傷めるリスクが最も低く、効果的に洗浄できます。
洗浄クリーナーの選び方とおすすめ
- とにかく安全に使いたい: メーカー純正のクリーナー一択です。
- カビを根こそぎ殺菌したい: 塩素系のクリーナーが適しています。ツンとした臭いがしますが、殺菌力は抜群です。
- 汚れを剥がし取る効果を実感したい: 酸素系のクリーナーがおすすめです。ただし、本記事で解説した泡立ちや溶け残りのリスクを理解した上で使用しましょう。
まとめ:オキシクリーンを賢く使うために

洗濯機を長持ちさせるために必要な知識
洗濯機を長持ちさせる秘訣は、取扱説明書を正しく理解し、メーカーの推奨する方法でお手入れをすることに尽きます。強力な洗浄剤は魅力的ですが、それが必ずしもお使いの家電に適しているとは限りません。リスクを理解し、自己責任の範囲で使用するか、より安全な代替品を選ぶかを判断することが重要です。
オキシクリーンのメリットとデメリット総まとめ
- メリット:
- 酸素の泡で洗濯槽の裏側のカビや汚れを強力に剥がし落とす。
- 衣類の漂白や消臭など、多用途に使える。
- デメリット:
- 使い方を誤ると、泡や溶け残りによって洗濯機が故障するリスクがある。
- 特にドラム式洗濯機ではトラブルが起きやすい。
- メーカー保証の対象外となる可能性がある。
オキシクリーンは、正しく使えば非常に優れたクリーナーです。しかし、それは「洗濯機にダメージを与えない使い方」ができて初めて成り立つもの。本記事を参考に、ご自宅の洗濯機に合った適切なお手入れ方法を選び、清潔で快適なランドリーライフを送りましょう。

